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パプアニューギニア釣行記 その1 2000年9月

朝9時。

まだ朝の冷気の残る中、真っ青な空と鏡のような海の間を、ボートはゆっくりとすべりだした。これから3日間、未知の海へのアドヴェンチャーフィッシングの始まりである。

朝の出港風景、どうですこの蒼

2ヶ月前、ボートオーナーでニューギニアのラバウル在住のサイモンとケアンズで初めて会い、我々のフィッシングメソッドを伝え、ポイント選定を彼に一任してきた。果たしてそれでいい釣果が得られるかどうかは、終ってみなければ解らない。

実際には、サイモンのボートクルーは、あの北村秀行氏と釣行を何度かともにしたことがあるという話で、我々のメソッドは十分理解しているはずである。ただ、GTにしろジギングにしろ、この海域でのフィッシングは誰もやったことはなく、自分たちで結果を出すしかないのだ。

同行者は池辺氏。出発前から大阪とケアンズで、準備するタックルに関して、あれやこれやと連絡を取り合い、タックルは万全のはずである。

ジギング用タックル
GT用タックル

ジギング用には6号から8号のPEラインを300メートルほど巻いたものに130ポンドのリーダー。ロッドはラインテンションに合わせた6フィート程のショートロッド。ジグは200~300グラムを用意する。

GT用には池辺氏は8号のPEライン、私はやはり80ポンドのファイアーラインを使用する。ロッドは二人とも8フィート弱のロッドである。

私自身、GTフィッシングのガイドをしながら、殆どのアングラーがPEによるライントラブルに悩まされているのを見てきた為、今回、始めてこのファイアーラインを使用することにした。ファイアーラインは通常のPEよりも柔軟性に欠け、より太くなるぶん、ライントラブルが少なくなるように感じたからだ。(今、考えるとGTにファイアーラインというのは、確かにライントラブルは軽減できますが、ラインの自重でルアーの飛距離がでないので、お勧めしません。それにライントラブルはノットや、キャスティングフォームの改善で、少なくすることは可能です。 2003年9月)

今回のクルーはボートオーナーのサイモンの父親ジョン、スキッパーはアントン、炊事係りのマティヤス、それに雑用に少年が1人の合計4人である。

最初にサイモンから父親のジョンが同行すると聞いたときに、年齢を確認したら69歳だという。それでクルーが勤まるのかどうかとかなり不安になり、サイモンに確認したが、ジョンは根っからの漁師で、海のことに関しては誰よりも知っているとのことであった。スキッパーのアントンもこの海域で10年来スキッパーとして働いているとのことで、取りあえずは安心である。

出発して1時間程で、最初のポイントに着く。「深度は?」と聞くとアントンが「200」と答える。「おい、おい、いきなり200はきつすぎる」と思いながらトップデッキに上がって魚探を確認すると確かに200メートルである。アントンに100メートル前後のポイントを選定するように伝え、私も魚探で海底の様子を確認しながらポイントをピックアップしていくことにする。

どうやらこの海域はサンゴ礁の海特有の極端なドロップオフがなく100メートルから200メートル程度の深度でだらだらと沖に向かって続いているようだ。さらに30分程ボートを走らせると、深度も比較的浅くなり100メートル程度の海底から70メートル程度の根が点在するようになってきた。

適当なところでボートを止め、いよいよフィッシングの開始である。今回のジギングの目標は、取りあえず50キロオーバーのイソマグロをしとめることと、大胆な目標を掲げている。

ポイント自体があまり広くないので、一箇所で20分程度でポイントを探れる。魚探に映る魚影は海底10メートル程度のところに集中しており、中層に浮いていることはないので、底から20メートルから30メートルまでをさぐることになる。

始めてから30分程、なかなかアタリがない。と、思っていた矢先に池辺氏のロッドに初めてアタリがある。上げてみたら小型のスジアラであった。次には私のロッドにバイト。これもあまり大きくはなさそうだ。あげてみるとサワラであった。小型の魚のバイトが続く中、今度も私のロッドにアタリがあった。

最初は小さなコツッとしたアタリで、また小物かと思っていたら、突然ラインがものすごいスピードで引き出され始めた。「ジーーーーーーーーーーーー」。 ドラッグを5キロ程度にセッティングしていたのだが、全く止まる様子が無く、50メートル、100メートルと、どんどん引き出される。

「ラインが、ラインが」と思っていたら、最後にラインブレイク。PEラインがささくれ立って途中で切れていた。あまりにもテンションが掛かり過ぎていたようだ。

池辺氏と顔を見合わせるが、2人ともあっけに取られて、ただ笑うだけである。

いったいなんだったんだろうか?。

ラインが引き出される中、どうすることも出来ず、ただただ、ラインが止まってくれるように祈るばかりである。雑誌等で50キロ、60キロのイソマグロを釣り上げた写真をよく見かけるが、今の魚がイソマグロだとすると、いったいどうすれば、最初の走りを止めることが出来るのだろ?。

その直後、今度は池辺氏にも同じようなアタリがある。ラインがものすごい勢いで、引きずり出されていく。またか、と思っているとラインを50メートル程残して、またラインブレイクである。

完全に歯が立たない。池辺氏は6号PEから8号PEにラインを変える。

そのあと1時間程して、今度も同じようなアタリが私のロッドにあった。小さなアタリのあと、突然にラインが引きずり出されていく。さっきのように、長時間、ラインにテンションが掛かっていては、またラインブレイクになると思い、今度はめいっぱいドラッグを締める。

すると80メートル程度のところでラインが止まった。「しめたっ」と思い、ポンピングを繰り返しながらゆっくりと引きずりあげてくる。使っているロッドがPE4号クラスのロッドなのであまり無理は出来ない。

実は出発直後のタックル調整の際、ドラッグテンションを確認するときにPE6号クラスの新品のロッドを1本、折ってしまっていたのだ。

しばらくするとほとんど抵抗もなくなり、ゆっくりと浮いてくるようになった。これはイソマグロに違いないと確信し、慎重に巻き取っていく。ようやく上がってきたのは20キロにも満たないイソマグロであった。

その後も、ジギングを続けたが、サワラや根魚が多く、肝心のイソマグロは上がらなかった。

リーフの浅瀬に沿って西進し、太陽が沈み始めた夕方6時頃、納竿。今日の停泊地であるタリリアイランドに向かう。

投錨後、今日釣ったサワラの刺身を魚にローカルビールで喉を潤し、ジョンとマティヤスが作ってくれた中華料理で胃袋を満たした。その後、タックルの調整をし、翌日のスケジュールの確認をする。

翌日は、西側に移動し、リーフの外側の、ある程度深度が取れるところで、さらに大物を狙うというてはずだ。

夜、ビールでも片手に、エギを使ってイカ釣りでもと思い、ライトタックルを用意していたのだが、強烈な日差しの中で、一日中ジグを動かし続けるのはかなりハードでそんな余裕も無く、すぐにベッドイン、爆睡する。