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モンスターバラマンディ攻略 1999年10月

ケアンズから車で1時間程、内陸部に入ったところに、ティナルー湖というダム湖があります。

先月の下旬、そこで38キロのバラマンディが上がりました。

今までにも、大型のバラマンディーが釣れるポイントとして、こちらの雑誌には幾度か紹介され、100ポンドオーバーのモンスターも生息するという記事を、私も目にしたこともあります。実際に34キロのバラマンディーの写真も掲載されていました。

今回の38キロというサイズはワールドレコードらしくテレビニュースでも放映されました。なんでもローカルメイドのルアーを使用し、ランディングするまでに1時間以上かかったということです。

バラマンディは基本的に汽水域に生息する魚で、淡水には生息しません。ティナルー湖のバラマンディもレジャーフィッシング用に放流されたものです。

通常の自然環境とは異なり、淡水中ではバラマンディーは生殖しません。というのも、淡水中では、汽水域のようにオスは成長とともにメスに性転換できず、そのまま成長し続けるからです。それがティナルー湖のバラマンディーをこれほど大型化させる原因かと思われます。

丁度このニュースから1ヶ月後に、ティナルー湖でこのモンスターをしとめたいというリクエストがあって、私もそれに便乗させてもらうことにしました。

さて、この30キロオーバーのバラマンディを、いったいどうすればしとめることが出来るのでしょうか?。

そのパワーに打ち勝つタックルを組むことは簡単かも知れませんが、ルアーでしとめるとなると、いろいろな問題が出てきます。水中はウイードや立ち枯れの木が、そこかしこにあるため、フローティングルアーを使用することが前提となります。そのほうがルアーにアクションを付けやすいというメリットもあります。そうなってくると、なるべくライトなタックルの方がいいでしょうし、その方が、手返しも多くなります。

そうすることによって、初めて夜通しのキャスティングも可能となります。というのも、このモンスターがルアーの射程距離に入ってくるのは、夕方から夜にかけて、餌を求めて浅瀬に上がってきたときだからです。しかも満月の夜は、その活動が深夜まで続くといわれています。フッキングさせることを優先してライトタックルにすれば、ランディングまで持ち込めるかどうか大きな不安が残りますし、ヘビータックルで組めば、ヒット率が極端に悪くなると予想されます。さて、その回答は・・・・・。

種明かしを簡単にしてしまうと面白さが半減してしまいますから、ここから先は、ご自分で考えて下さい。質問があればメールにて。

さて、フィッシング当日は、ティナルー湖に夕方4時について、早速フィッシングを開始。

当日は満月ということもあって、時間を追う毎にボートの数が増える。

とりあえず、夕まづめまでは同じポイントで粘ってみるが全く反応なし。辺りが暗くなってくる頃に、別の場所に移動する。ガイドのランピーが、つい2日前にメーターオーバーをしとめたというポイントである。

丁度入り江のようになっていて、あたりには立ち枯れの木があちこちに立っている。聞こえてくる音は、水鳥の鳴き声と、ルアーの着水音のみ。

ときおり、バラマンディーが水と一緒に餌を吸い込む「ゴボッ」という音が聞こえてくると、いやがおうでも緊張感が高まっていく。ルアーが水中の立ち枯れにあたて、「ことっ」という感触がロッドを伝わってくると、「来たか!?。」と思って心臓がバクバクしてしまう。

だんだんあたりが暗くなってきた頃に、少し離れたボートの前で「バシャーン!!」という音とともに大きな水しぶきがあがった。釣り人がロッドを立て、さかんにやりとりをしている様子である。どんなサイズがあがるのか、興味津々で眺めていると、突然ロッドのしなりがなくなり、なにやら船上で叫んでいる様子。どうやらバラしてしまったらしい。それを見ていたガイドのランピーも、これからが本番だと我々に気合をいれさせ、我々もl再度キャスティングを開始する。

それから15分くらい経った頃、池辺氏のロッドにあたりがあった。最初は「ンッ?」と思わせるような小さなあたりだったようで、本人も「根がかり?」と声に出したほどで、そのあと2,3回リールを巻いたように思う。

 

と、突然、ラインが音を立ててリールから引っ張り出されていく。「フィッシュ」と池辺氏が声を上げ、ガイドのランピーが「リラックス、リラックス」と池辺氏に声をかける。なにせこの前の日に池辺氏はヒンチンブルック島でトローリングでしとめたメータークラスのバラマンディーをランディング寸前で逃がしているのだ。フッキングしたバラマンディーはボートの前に向かって走り出し、アンカーロープにラインがからまりそうだ。

池辺氏は前日の失敗を意識してか、ロッドティップをさげてジャンプさせないようにしながら、うまくバラマンディーをコントロールしている。途中「フックが1本はずれた」といわれたときは一瞬ヒヤッとしたが、15分ほどで無事ボートにランディング。

まるまると太った90センチのバラマンディーであった。

それから9時30分まで延々とキャスティングを続けて、結果、ガイドのランピーのルアーに1回あたりがあったのみで、その他はすぐ前のボートで70センチ程のバラマンディーがランディングされるのを見せつけられただけであった。

ただ、常にタフフィッシングを強いられるティナルー湖に始めて来て、90センチサイズをしとめられたのは、非常にラッキーだとガイドのランピーも慰めてくれた。 

ちょうど、この日は満月で、大きな月がずっと湖にその影を落としていた。周囲の丘や遠くの山並みの稜線も月明かりに照らされて、くっきりとその影が見て取れるほどの、見事な月夜であった。こんなすばらしい夜にロッドを振っている自分にえらく感動した1日でもあり、きっといつか30キロオーバーをここでしとめようとあらたに決意した1日でもあった。