マーリン(カジキ)の釣り情報

ケアンズでマーリン(カジキ)が釣れるのは、6月下旬から翌年の1月くらいまでです。6月下旬の、50キロ前後の小型のブラックマーリンから、シーズンの幕開けです。 それから1ヶ月くらい遅れてセールフィッシュも釣れ始めます。この小型のブラックマーリン、セイルフィッシュはインリーフでの釣りになります。この時期は、潮さえ合えば、1日に5匹、6匹と釣れることもあります。9月から12月頃までが、大型ブラックマーリンのシーズンです。ブルーマーリンは、時季が少し遅れ、12月~1月がシーズンとなります。6月~8月のシーズンで小型のマーリンを狙う場合は、インリーフがポイントになり、ポイントまで1時間程度ですから日帰りで十分楽しめます。 ケアンズの本格的なトローリングシーズンは9月から12月までで、この時期はグランダーと呼ばれる1000ポンド以上のマーリンが釣れることも珍しくありません。ポイントはグレートバリアリーフの外側になり、ポイントまでは2時間程度の移動が必要です。従って、日帰り釣行よりも、船中泊で出かけたほうが、釣りにかけられる時間が、それだけ長く取れます。それに、トローリングで大型のマーリンを狙う場合、最も食いが立つのが 午後遅くから日没までの時間帯ですから、そういった意味でも、船中泊のトリップのほうが、マーリンが釣れる確立が多くなります。大きなトーナメントが開催されるのもこの時季ですから、この時季は、早めに船を予約された方がいいでしょう。
ゴールドコースト近郊では、ブルーマーリン、ブラックマーリンがターゲットとなりますが、いずれも、ハイシーズンは12月~2月の夏場に限られます。サイズは100キロ~150キロがアベレージです。 シドニーの北、ポートステファンスでは、オーストラリアの中で、ブラックマーリン、ブルーマーリン、ストライプドマーリンの3種類のマーリンが釣れる場所として有名です。メインシーズンは2月から4月までの3ヶ月間ですが、魚種により若干シーズンが異なります。ハイシーズンの3ヶ月間は、ケアンズ、ゴールドコーストに比べ、かなり魚影が濃く、毎日コンスタントに釣果が得られます。アベレージサイズは100キロ前後で、マーリンをターゲットにしたフライフィッシングでは、魚影の濃さ、そのサイズから、ワールドレコードを狙うことのできるフィッシングスポットです。
各エリアの、それぞれの種類のマーリンのシーズンは、以下の通りです。

ケアンズ
ブラックマーリン
(50キロ前後)
6月~8月
ブラックマーリン
(200~500キロ)
9月~12月
ブルーマーリン 12月~2月
セイルフィッシュ 8月~2月
ゴールドコースト
ブラックマーリン 12月~2月
ブルーマーリン 11月~2月
セイルフィッシュ 11月~2月
ポートステファンス(シドニー北部)
ブラックマーリン 2月~4月
ブルーマーリン 1月~4月
ストライプマーリン 1月~4月

マーリンをターゲットにしたツアー

オーストラリア

トローリング

サークルフックを利用したヘビータックルトローリングについて

デッドベイトやライブベイトを使ったマーリンのトローリングは、基本的に「餌さ釣り」と同じです。魚がフッキングしてから、ランディングするまでの一連の流れの中で、何か特別なことをしている訳ではありません。ただ、釣れる魚のサイズが大きくなり、タックルもそれなりのサイズを使いますから、魚にしろ、タックルにしろ、なかなか一人では取り扱うことが出来なくなり、それをチームで行うだけの話です。 よく「トローリングのアングラーはラインを巻き取るだけでつまらない。」なんていう言葉を耳にしますが、けっしてそんなに簡単ではありません。この釣りは、チームワークが必要です。アングラー、キャプテン、デッキハンドやサポートスタッフが、その時点で必要なことをお互いに理解し、それを即、行動に移していかないと、成立しないゲームです。これから、ケアンズに大型マーリンを釣りにいらっしゃる方が、そのトロフィーサイズのマーリンをランディングできるよう、特にサークルフックを利用したトローリングのポイントを紹介します。

餌を十分に飲み込ませる

マーリンのバイトがあれば、スプールから音を立ててラインが引き出されます。そのとき、キャプテンはボートをニュートラルか微速前進にします。これは、ラインを あまり引き出させないようにするためと、ベイトを呑み込みこませやすくするためです。このときアングラーは、ドラグをフリーにして、サミングだけで、ラインをコントロールします。片手は、魚の動きが感じられるよう、リールのすぐ外側のラインに軽く触れておきます。ラインの出て行く方向や、そのスピードにもよりますが、1分程度は、魚の好きにさせます。

マーリン用ベイトとサークルフック

他のクルーは、水中の他のベイトを回収

バイトがあり、ラインが引き出され始めたら、他のベイトをすばやく回収します。ラインが交差して、ファイト中のラインと絡み合わないようにするためです。但し、別のベイトを船べりまで回収してきても、完全にボートに上げないで、いつでも再投入できるよう、水につけておきます。これは、最初にバイトした餌にフッキングしなかった場合、 すぐに別の餌を、マーリンの近くに流せるようにするためです。

ストライク

1分ほどして、マーリンが充分に餌を呑み込んだら、アングラーはドラグをストライクポジションにセットして、キャプテンに合図を送ります。キャプテンは、ボートの速度を上げ、胃の中に呑み込まれたフックを、口元まで引きずり出し、口角にフッキングするようにします。しだいにラインにテンションが掛かり、ロッドが 大きくしなり始めます。この間の数秒間は、何もしないでロッドのしなり具合に注目して、完全にフッキングしたかどうか確認して下さい。場合によっては、ここでマーリンが最初のジャンプをします。
フッキングしたことを確認したら、アングラーは、ロッドをファイティングチェアーに移動させ、ファイトの準備をします。ロッドを舷側のロッドホルダーからファイティングチェアーに移動させるときは、ドラグはストライクポジションから10~15キロ程度まで落とし、魚にラインを引きずり出されながらでも、重いタックルを充分に扱いやすくします。その後のラインの回収を考えると、アングラーはこの一連の動作をできるだけスムーズに運び、ラインの出を最小限に抑える必要があります。
アングラーが、ファイティングチェアーに座って、ファイトできる体勢になるまで、他のクルーは、ファイトに必要でないものをすべてデッキ上から片付けます。 バイトしていない餌も回収し、ロッドごと、キャビン内に収納するなりして下さい。

マーリン用130ポンドリール

30分以内にランディングする

ファイトが始まったら、できるだけラインテンションをかけて、魚に負荷を与えるようにします。通常は20~25キロ程度のドラグ設定ですが、アングラーの体格やパワーを考慮して、可能なら30キロ程度までドラグを締めて下さい。ドラグテンションを掛ければ掛けるほど魚が浮いてきやすくなり、ジャンプの回数や方向転換も多くなり、それだけラインを回収できるチャンスも多くなります。ラインを早く回収できれば、アングラーの疲労度も少なく、ランディングまでの時間を短く出来ます。そういった点では、ファイト中のアングラーは、足を常に伸ばした状態で、全体重を常にロッドに預け、ポンピング出来るようなファイトをした方が有利です。ファイティングチェアーに腰掛けたままで、足の屈伸を利用してファイトするやり方は、アングラーの疲労度が大きくなり、ランディングまでの時間が長くなります。
なるべく短時間でランディングできる方法を、常に考えながらファイトするようにします。短時間でランディングできれば、魚もまだ体力のある内にリリース可能で、それだけ生存率も 高くなります。ドラグテンションが不足すると、魚に深く潜られてしまいます。結果として、魚をリフトするのに時間がかかり、魚を弱らせてしまい、最後にはシャークバイトで魚を失うことになりかねません。

ファイティングチェアーを使ったマーリンとのファイト

チームのコミュニケーション

短時間のうちに、1000ポンド(453キロ)を越えるマーリンをランディングまで持ち込むためには、チーム内での役割分担を明確にしておかなければいけません。そのためには、各パートのメンバーが、あらゆる事態を想定して、瞬時に動けるようにするためのイメージトレーニングは欠かせません。その上で、お互いが、各メンバーと頻繁にコミュニケーションを獲り、そのときの状況を的確に判断し、メンバー全員が1人のアングラーとなって動ければ、トロフィーサイズのマーリンをランディングすることができるのです。

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