バラマンディの釣り情報
バラマンディはオーストラリア北部以外に、パプアニューギニア、インドネシア、タイなど、インド洋から東南アジアの太平洋沿岸部に棲息する魚です。
通年釣れますが、オーストラリアでは、水温の低くなる冬場、6月から8月は活性が低くなるのが普通です。ケアンズでは、10月~4月頃が最も活性が高くなります。雨季開け直後、3月末から4月末の期間は「RUN OFF(ランオフ)」 シーズンと呼ばれ、大型のバラマンディが最も釣れる時季です。雨季が開け、湿地帯に広がっていたベイトフィッシュが、水位の低下とともに本流に押し流されてきます。産卵直後の大型バラマンディが、この、本流に流れ落ちてくるベイトフィッシュを捕食します。
オーストラリアでは、地域にもよりますが11月から2月が禁漁期で、必ずリリースしなければなりません。禁漁期以外でも、58cm以下、120cm以上は、必ずリリースする決まりになっています。
淡水ダムでも、人工的に放流したバラマンディを釣ることができます。ダムでの釣りには、禁猟期はありません。 ケアンズ近郊では、ティナルーダムが有名です。淡水のバラマンディーは成長速度が速く、 短期間で大型化する傾向にあり、20キロを越えるサイズのバラマンディも珍しくありません。1999年にティナルーダムで釣れた、38キロのバラマンディが、長らく世界記録として認定されていましたが、それを上回る44キロのバラマンディが、2010年、バンダバーグ近郊のモンデュランダムで釣れ、新たな世界記録として認定されています。オーストラリアの東海岸には、これらティナルーダムやモンデュランダムの外に、アウォンガダム、ピーターフォーストダム、キンチャントダムなど、大型のバラマンディーが釣れるダム湖がいくつかあります。
オーストラリア以外では、インドネシア、パプアニューギニアもバラマンディの釣り場として有名ですが、このエリアでは、フィッシングプレッシャーが少なく、大型のバラマンディに出会えるチャンスが多くなります。これらの地域では、雨季は、釣り場までアクセスできないことが多く、雨季の間は、釣りのオペレーションを行わないのが普通です。
バラマンディをターゲットにしたツアー
オーストラリア
バラマンディファーム(管理釣り場)
ルアー/フライ/餌釣り、ボートチャーター、1日/半日
ティナルーダム、淡水バラマンディ
ヒンチンブルック島ツアー、ルアー/フライ
タウンズビル、ルアー、フライお薦め
ウエイパ、フィッシングロッジ泊、ルアー/フライ
ウエイパ、マザーシップ、ルアー/フライ
アラクン、マザーシップ、ルアー/フライ
カルンバ、ロッジ泊
淡水バラマンディ、ルアー/フライ
ダーウィン近郊、バラマンディ/サラトガ
アーネムランド、バラマンディロッジ
ティウィ島、フィッシングロッジ
パプアニューギニア
ガルフ、パプアンバストリップ(ロッジ泊)
パプアンバス、マザーシップトリップ
インドネシア
ウエストパプア、パプアンバス/バラマンディお薦め
バラマンディを釣るための5つのポイント
1.正確なキャステイング
日中は、入り組んだマングローブの根元や、岩場の物陰に隠れているバラマンディ。そのバラマンディの目の前でルアーをアピールさせる為には、正確なキャスティングが必要です。飛距離は必要ありません。ボートフィッシングの場合、ボートから、岸際に生い茂るマングローブまでの距離は、せいぜい10メートル程度です。狙ったポイントから30センチ程度の誤差でキャストできるよう、練習しておきましょう。
ルアーをマングローブに引っかけてしまうと、回収するのにポイントを潰してしまうことになりますが、引っ掛かるのを恐れてポイントを外してしまうより釣果は上がるはずです。
2.寝た魚を起こせ
「寝た魚を起こせ」というのは、バラマンディ釣りで、よく耳にするフレーズです。バラマンディは、とても横着な魚で、ルアーが自分の射程内に入っても、微動だにしないこともしばしば。やる気のない魚に口を使わせるためには、何度もキャストして、ルアーをアピールすることが大切。
魚の目の前でルアーをアピールできるよう、ルアーを変えたり、弾丸シュートで、大きな着水音を立てるなどして、魚からの反応があるまで、何度でもキャストすることが大切です。
3.イレギュラー、スローアクションで
バラマンディは、とても横着な魚で、ルアーを追いかけてくるようなことはありません。魚のすぐ目の前で、ルアーをなるべく多くアクションさせ続けることが重要です。スローリトリーブを心掛け、リトリーブするのは、ジャーキングで生じたラインの弛みを取る程度です。瀕死の魚を演出できるよう、アクションのリズムを変えたり、時々、ポーズを入れたりして、ルアーを不規則に動かしてください。
4.合わせを入れるな
バラマンディがフッキングした際に合わせを入れるのは厳禁です。バラマンディは、大きな口を一気に開いて、水と一緒に餌を吸い込みます。ラインにテンションが掛かった瞬間に、ロッドを大きく煽ってフッキングを入れると、まだ、フックが刺さらない内にルアーを口元から引き出すことになります。それに、バラマンディの場合、口の外側にフッキングするケースも多く、合わせを入れると、せっかくフッキングした針を引きはがすことにもなりかねません。
向こう合わせで、全く問題ありません。フッキング直後に、ストラクチャーに入り込まれるのを防ぎたい場合は、ラインを素早く巻き取ることです。
5.「潮」を選べ
バラマンディはエスチュアリー(汽水域)に生息する魚です。シーバスでも、釣れる潮、釣れない潮があるように、バラマンディが釣れやすい潮、釣れにくい潮があります。淡水ダムでのバラマンディフィッシングでも、月齢により釣果が異なります。ボートのチャーター費用を無駄にしないためにも、潮を選んで旅行のスケジュールを立てるべきです。
5.「時間」を選べ
バラマンディはエスチュアリー(汽水域)に生息する魚です。潮の干満によって、釣れる時間帯、釣れない時間帯があります。干潮から潮の満ち始める時間帯が、バラマンディフィッシングの「プライムタイム」です。ポイントの状況にもよりますが、この時間帯に、狙った場所で釣りができるよう、1日のスケジュールを立てるべきです。特に時間的な制約があり、旅行中「半日フィッシング」しかできない場合は、干潮の時間帯に釣りができるようスケジューリングすることをお薦めします。
バラマンディ用ボート、タックル
バラマンディボート
バラマンディフィッシングで使用するボートは、2~4名乗りの、バスボートと同程度のサイズのボートを利用します。小型ボートですから、日除けもなく、あっても、釣りの際は日除けを仕舞っておきますから、帽子や日焼け止めは、必ず用意してください。トイレ設備もありませんから、特に、女性の方は、事前に済ませておくなどの注意が必要です。ポイントを打っていく時は、エレキモーターを使用します。
ガイドによる宿泊先への送迎がツアーに含まれている場合、ガイドは、ボートを牽引して現れることになります。
ロッド
ボートフィッシングでは6フィート未満のショートロッドがお薦めです。ボートフィッシングでは、ストラクチャーとなるマングローブ林に沿ってゆっくりと移動します。キャスティングの距離は4~6メートル。遠投は必要ありませが、キャスティングの精度が重要なポイントです。基本的には、硬いロッドの方が、フッキング直後の突っ込みに絶えられると思います。60cm程度までのサイズなら、特に問題ありませんが、それ以上のサイズになると、最初のストラクチャーへの突込みを防ぐ為に、硬めのロッドを使った方がいいでしょう。ルアーアクションはトゥイッチングやジャーキングを多用します。その点では、ファーストテーパーのロッドの方がアクションさせやすいはずです。それなりの強度のあるロッドを用意しておかないと、メータークラスがかかったときには泣きを見ます。
ライン
メインラインは、PEラインで20~30ポンドがお薦めです。リーダーラインは40~50ポンド。フロロより伸縮性のあるナイロンをお薦めします。リーダーの長さはキャスティング用に垂らしを取って、スプールの中にノットが入り込まない程度にします。そうすれば、キャスティング時のライントラブルの軽減にもつながります。
メーターオーバーの大型バラマンディが釣れることの多いフィールドでは、リーダーラインは80ポンドクラスを使いましょう。過去に、ジャンプの際のエラ荒いや、ヤスリのような歯による磨耗で、80ポンドリーダーが、簡単に切られてしまったこともあります。
ヤスリのような歯でズタズタになった80ポンドリーダー
ルアー
通常はフローティングかサスペンドのミノーを使うケースが最も多くなります。ダイバー系のミノーやシャッドも多用します。そのポイントの深度にあわせてルアーを選んでください。最もポピュラーなのは12センチクラスのボマーで、ロングA、色はゴールドです。オーストラリアではゴールドボマーと呼ばれ、最もポピュラーなバラマンディ用ルアーです。それ以外では、最近、ソフトベイトを使うアングラーも多くなりました。
スローアクションが基本です。トゥイッチングやジャーキングを使ってルアーを動かし、ラインを巻き取るのは、そのたるみを取る程度にします。ポーズをさせた時、早い速度で沈んでしまうようなシンキングルアーは、バラマンディー用としては不向きです。